Gboard は、150 以上の言語に対応する無料のキーボード アプリです。音声入力や翻訳機能などの便利機能、コミュニケーションが楽しくなる絵文字ミックス(Emoji Kitchen)やステッカー、Android ならではの高いカスタマイズ性などが特徴です。本記事では、Gboard の初期設定や基本的な操作方法のほか、便利な機能を紹介します。
Gboard の特徴
素早く簡単に入力できる
Gboard には、入力中の文字や直前に入力した単語をもとに変換候補を表示する機能、スマホに話すだけで自動的に漢字などに変換して文字入力できる音声入力機能など、素早く簡単にテキストを入力するための機能がそろっています。英語などのキーボードでは、文字から文字に指をすべらせるだけで予測変換ができるグライド入力も可能です。
入力と同時に翻訳できる
入力したテキストを瞬時に外国語に翻訳して入力できるので、外国語でのメールや文章作成も簡単です。他の翻訳アプリを開く必要がありません。
個性的な絵文字ミックスや自分そっくりのステッカーが楽しい
Bitmoji でアバターを作ると、アバターを用いたさまざまなステッカーを Gboard で使えるようになります。自分そっくりのアバターを作ると、SNS などでより感情豊かなコミュニケーションができるでしょう。他にも、2 つの絵文字を組み合わせた個性的なステッカーが作れる絵文字ミックスなど表現の幅が広がる楽しい機能が備わっています。
より使いやすくカスタマイズできる
キーボードの位置やサイズを変更したり、背景を好きな画像に変更するなど、Gboard なら自分の好みに合わせて、細かくカスタマイズができます。ツールバーに配置する機能を入れ替えることもできるので、よく使うものを選んで並べ変えることも可能です。
左 : 翻訳機能を使用する画面 右 : Bitmoji を使用する画面
Gboard の設定方法
Gboard は、Google Pixel など一部の Android スマホにデフォルトのキーボードとして設定されています。お手持ちのスマホにインストールされていない場合は、Google Play ストアからインストールし、デバイスの設定から「キーボード」を検索して Gboard をオンにします。
まずは、初期設定と初期設定時に選択できる「12 キー」と「QWERTY」の 2 種類のキーボード配列について紹介します。
キーボードの初期設定
スマホのセットアップ時または最初に Gboard を使用するときに、ひらがなとアルファベットのキーボード配列を、それぞれ 12 キーと QWERTY から選択します。ひらがな入力に QWERTY を選択した場合は、アルファベット入力も自動的に QWERTY となります。初期設定は、これだけで完了です。
【12 キー】
12 キーはひらがなや数字が 12 個並んだキーボードで、一つのキーに複数の文字が割り当てられています。同じキーを連続でタップして文字を選択するトグル入力(ケータイ打ち)や、キーをタッチしながら上下左右に指を払って文字を入力するフリック入力が可能です。
フリック入力について詳しくはフリック入力を習得すると入力速度が上がる? 基本操作や設定方法、練習する方法についても解説をご覧ください。
【QWERTY】
QWERTY は、一般的なパソコンのようにアルファベットが並んだキーボード配列です。日本語を入力する場合はローマ字入力になります。QWERTY の詳細はスマホのキーボード(Gboard)を QWERTY 配列に切り替えるには? 設定方法などを解説で紹介しています。
また、キーボードの上部に数字行を追加したり、キーの長押しで記号を入力できるように設定することもできます。
左:数字行を追加した画面 右: 長押しで記号を入力できるように設定した画面
12 キーと QWERTY 以外のキーボードを選択する
初期設定後に、12 キーと QWERTY 以外のキーボード配列を選択、追加することもできます。日本語(ひらがな)入力の場合、12 キーと QWERTY のほかに、手書き、GODAN、五十音があります。
左:GODAN キーボード 中央:手書きキーボード 右:五十音キーボード
キーボードを変更、または追加する手順は次のとおりです。
Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開いて、テキスト入力できる場所をタップします
キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
[言語] をタップします
[キーボードの言語とレイアウト] からキーボードを変更または追加したい言語をタップします
- 使用したいキーボード配列をタップして、チェックボックスにマークを入れます(複数選択可能です)
- 画面下部の [完了] をタップします
言語を追加する
Gboard は日本語以外の言語も追加できます。言語を追加する手順は、以下のとおりです。
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [言語] をタップします
- 画面下部にある [+ キーボードを追加] をタップします
- [言語の候補] または [すべての言語] から追加したい言語をタップします(検索バーで言語を検索することもできます)
- 使用したいキーボード配列をタップして、チェックボックスにマークを入れます(複数選択可能です)
- 画面下部の [完了] をタップします
言語ごとに複数のキーボードが用意されており、たとえば英語キーボードには、QWERTY のほかに、Handwriting、QWERTZ、AZERTY、Dvorak などがあります。
左上:Handwriting 右上:QWERTZ 左下:AZERTY 右下:Dvorak
Gboard で使用できるキーボードについて、詳しくは Gboard で使えるキーボード配列は? 設定方法や切り替え方を紹介をご覧ください。
設定した言語やキーボード配列を切り替えるには、言語切り替えキー をタップするか、スペースキーを長押しで選択します。詳しい手順は本記事後半の言語・キーボードの切り替えをご確認ください。
Gboard の基本操作
初期設定で選択できる 12 キーを例に基本画面の操作方法を紹介します。
①[機能を開く] メニュー: Gboard の機能を表示する
②マイクアイコン: 声で文字を入力する「音声入力」を使用する
③元に戻すキー: 直前の状態に戻す(例: 削除した文字を元に戻す)
④削除キー: 文字を削除する
⑤左キー: カーソルを左に移動する
⑥右キー: カーソルを右に移動する
⑦絵文字アイコン: 絵文字や記号、ステッカー、GIF などのキーボードを表示する
⑧スペースキー: スペースを入力する
⑨文字種切り替えキー: かな入力キーボード、アルファベット入力キーボード、数字入力キーボードを切り替える
⑩言語切り替えキー(地球アイコン): キーボードの言語やキーボード配列を切り替える
⑪ステッカー キーボード アイコン: ステッカーを表示する
⑫GIF キーボード アイコン: GIF を表示する
⑬クリップボード アイコン: クリップボードを開く
⑭設定アイコン: Gboard の設定画面を開く
⑮手書き入力アイコン: 画面に手書きで文字を入力する
キーボードの上に並んでいるアイコン(⑪〜⑮)は、①[機能を開く] メニューにある他のアイコンと入れ替えられるので、よく使う機能を選んで配置しておくと便利です。詳しくは、記事後半のツールバーのカスタマイズをご覧ください。
ここからは、基本画面でできる操作について、詳しく紹介します。
言語・キーボードの切り替え
複数のキーボード配列を設定している場合に表示される左下の言語切り替えキー または右下にある地球アイコンをタップすると、キーボードが他のキーボード配列、または言語に切り替わります。また、言語切り替えキー
、右下の地球アイコン、スペースキーのいずれかを長押しすると、キーボード変更画面が表示され、任意のキーボードを選択して切り替えられます。複数のキーボードアプリをインストールしている場合は、他のアプリのキーボードを選択することもできます。
文字種(ひらがな、アルファベット、数字など)の切り替え
文字種切り替えキー「あa1」をタップするたびに、ひらがな、アルファベット、数字キーボードが順に切り替わります。数字キーボードには、各数字キーに記号も割り振られているので、記号をフリック入力などで入力できます。
三状態キーボードの設定をオフにすると、文字種切り替えキー「あa」と数字キーボードへの切り替えキー「?123」が別々に表示されます。
三状態キーボードや「長押しで記号表示」の詳しい設定方法について、詳しくは、Gboard で使えるキーボード配列は? 設定方法や切り替え方を紹介を参照してください。
音声入力
マイクアイコン をタップすると、声でテキストを入力することができます。入力したい内容を話すと、文脈に合わせて漢字に自動変換したり、句読点を追加しながら文字を入力してくれます。Android 12 以降を搭載した一部の Google Pixel デバイス(Pixel 6 以降など)をご利用の場合は、音声コマンドを使って、テキストの削除、削除したテキストを元に戻す、メールを送信するなどの操作も可能です。
絵文字、GIF、ステッカー、顔文字、記号、Bitmoji
絵文字アイコン をタップすると、絵文字キーボードが表示されます。左上の検索窓のほか、画面下のアイコン(画像の赤枠部分)をタップすると、絵文字、GIF、ステッカー、顔文字、記号、Bitmoji のキーボードに切り替えることができます。左のアイコンから順番に説明します。
①【絵文字やステッカー、GIF を検索】
絵文字や GIF、ステッカー、Bitmoji のキーボード上部に検索窓があります。「笑顔」「お誕生日おめでとう」などのテキストを入力して検索すると、関連性のあるものが表示されます。
②【絵文字、絵文字ミックス】
キーボード上部の [検索] にキーワードを入力して関連する絵文字を検索したり、検索窓の右側にあるアイコンから「顔文字や気分」、「人」、「動物と自然」などのカテゴリごとに選ぶことが可能です。絵文字について、詳しくは顔文字や絵文字の表示方法をマスターしてコミュニケーションをもっと楽しく!をご覧ください。
また、2 つの絵文字を組み合わせた絵文字のステッカーを作れる「絵文字ミックス」の機能を使うこともできます。たとえば、怒った顔の絵文字とタコの絵文字を組み合わせると怒ったタコのステッカーになります。面白い組み合わせの個性的なステッカーを見つけて、SNS などで活用してみるのも楽しいでしょう。
③【GIF】
GIF は短いアニメーションのステッカーを送信できる機能です。「こんにちは」「ありがとう」などのキーワードで GIF を検索したり、検索窓の右側から「会いたい」「Dance」などのキーワードを選んで探すことができ、気に入ったものをタップするとステッカーと同じように送信できます。
④【ステッカー】
イラストやアニメーションのステッカー(スタンプ)を送信できます。ステッカーの種類を増やすには、④のアイコンをタップ後、検索窓の右にある+のアイコンをタップします。その後、表示されたステッカー一覧の中から [追加] をタップしましょう。
⑤【顔文字】
Gboard では、記号や文字を組み合わせて作る顔文字も簡単に入力できます。たとえば「:-)」「(^^)」などの顔文字を、タップするだけで入力可能です。クラシックや笑顔、ハートマークなどのカテゴリごとに整理されているため、使いたい顔文字をすぐに見つけられます。入力先のアプリやサイトが絵文字をサポートしていない場合でも、顔文字であれば入力可能なことが多いでしょう。
⑥【記号】
感嘆符(!)やアットマーク(@)などの記号や、数字、括弧、矢印、数学、丸囲み数字、図形などを入力できます。特殊文字、特殊記号については Gboard で特殊文字や特殊記号を入力するには? 利用方法と応用をわかりやすく解説で詳しく紹介しています。
⑦【Bitmoji】
Bitmoji※1 はアバターを作ってステッカーを作成できるアプリで、Gboard からもインストールが可能です。アバターを作成すると、Gboard からステッカーとしてメッセージ アプリや SNS などで送信したり、画像としてドキュメントなどに貼り付けたりできます。
Gboard の便利な機能
Gboard には入力をスムーズにしてくれるさまざまな便利機能があり、その多くは [機能を開く] メニューからアクセスできます。ここでは、Gboard の便利な機能のうち、基本的なものを紹介します。
片手モード
片手モードは、キーボードの大きさと表示位置を変更して片手でも操作しやすくする機能です。片手モード アイコンをタップすると、片手モードをオンにできます。オンにすると、キーボード全体が一回り程度小さくなり、左右に寄せることができます。キーボードのサイズや位置を調整することもできます。
左 : 片手モードオフ 右 : 片手モードオンで右に寄せた状態
入力と同時に翻訳
Gboard の翻訳機能を使うと、テキストを入力しながら、さまざまな言語に翻訳できます。翻訳アイコン をタップして言語を選択し(下の画面)、ボックスにテキストを入力します。リアルタイムで翻訳された文章が表示されます。
単語リスト
単語リストは、スマホの文字入力時によく使う単語や変換しにくい固有名詞などを登録して、変換候補に表示する機能です。たとえば、「じゅうしょ」に自宅や勤務先の住所を登録したり、「あいさつ」によく使うあいさつ文を登録しておくと便利でしょう。
単語リストは次の手順で登録できます。
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [単語リスト] → [単語リスト] の順にタップします
- 単語を登録したい言語を選択します
- 画面右上の追加ボタン [+] をタップします
- [単語を入力します] をタップして登録したい単語を入力します
- [よみを入力します] をタップして単語のよみを入力します
- 画面左上の戻るアイコン
をタップします。上の画面のように登録した場合は、「あんど」と入力すると、「Android Magazine」が変換候補に出てくるようになります。
クリップボード
Gboard のクリップボードは、コピーした複数のテキストや画像を、1 時間保持しておける機能です。
メールアドレス、住所、電話番号、時刻、URL など、複数の情報が含まれているテキストを選択してコピーすると、全文だけでなく、それぞれの情報が個別のクリップとして保存されるので、電話番号、住所など、ペーストしたい情報だけを選んで貼り付けることができます。
コピーしたテキストや画像などを呼び出すには、クリップボード アイコン をタップします。
コピーした情報はしばらくすると削除されますが、消えないように長押しで固定しておくこともできます。頻繁に入力するテキストなどは固定して保存しておくと便利でしょう。
ツールバーのカスタマイズ
キーボードの一番上にあるツールバーのアイコンは、他の機能のアイコンと入れ替えることができます。[機能を開く] メニューをタップして、ツールバーに置きたい機能のアイコンをドラッグし、ツールバーにドロップします。デフォルトでマイクアイコン が配置されている一番右の部分も、他の機能と入れ替えることができます。ツールバーはどのキーボード レイアウトでも一番上に表示されるので、よく使う機能を選んで配置しておけば、すばやくアクセスできるようになり便利です。
[機能を開く] メニューをタップした画面とツールバー
テーマ変更
キーボードの背景の色やデザインを変えることができます。
プリセットの色や風景を選べるだけでなく、スマホに保存した画像を背景にすることもできます。自分で撮影した写真やお気に入りのイラストなどに変えてみるのもよいでしょう。
キーボードのテーマ変更を行う手順は以下のとおりです。
- キーボード上部のテーマアイコン(パレットマーク)をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [テーマ] をタップします)
- 「マイテーマ」の追加アイコン
をタップして背景に設定したい画像を選択するか、「デフォルト」、「カラー」、「風景」、「グラデーション(明)」、「グラデーション(暗)」から任意のテーマを選択します。なお、画像を選択した場合は、範囲の指定や明るさを調整します
- [キーの外枠] をタップして、キーの外枠の有無を選択します(画像はキーの外枠をオフにした状態です)
- [適用] をタップします
サイズ変更
キーボードの縦幅を任意の高さに変更したり、位置を上下に調整することができます。
デフォルトは標準の高さに設定されていますが、手の大きさやよく使うキーボード配列に合わせて変更すると、より入力しやすくなるでしょう。
キーボードの高さと表示位置を変更する手順は以下のとおりです。
- キーボード上部のサイズ変更アイコンをタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [サイズ変更] をタップします)
- キーボードの上段または下段の枠をドラッグするとキーボードの縦幅を変更できます
- 画面中央の矢印アイコンまたはキーボード枠内をドラッグすると、キーボードの位置を変更できます
- 画面左の円矢印アイコンをタップすると、キーボードのサイズや位置がデフォルトに戻ります
- 画面右の完了アイコン(✓)をタップすると、サイズ変更を終了します
フローティング
Gboard のフローティング モードは、キーボードを画面上の好きな場所に移動できる機能です。キーボードの縦横幅も変えることができ、キーボードをかなり小さくすることもできます。キーボードを自由に動かして画面を確認しながら入力したいときなどに役立つでしょう。
フローティング機能を使う手順は以下のとおりです。
- [機能を開く] メニューをタップして [フローティング] をタップします
- キーボード下部のバーをドラッグすると画面上の任意の位置にキーボードを移動できます
- キーボードの角をドラッグすると、フローティング キーボードのサイズを変更できます
- フローティング キーボードを終了する場合は、再度フローティング アイコンをタップします
文字入力に役立つ機能や Tips
本記事で紹介したもの以外にも、Gboard には文字入力や編集に役立つ多彩な機能が備わっています。
記号や日付、数字をキーボードの切り替え無しで簡単に入力する方法や単語登録で便利なフレーズ集を作る方法、削除キーのフリックで単語を素早く削除する方法など、知っていると Gboard がますます便利になる Tips を下の記事でご紹介しています。是非参考になさってください。
自分好みの設定で Gboard を使いこなそう
Gboard は、多機能でカスタマイズ性の高いキーボード アプリです。12 キーや QWERTY はもちろん、言語ごとにさまざまなキーボード配列を選べます。音声入力や単語リストなど、スマホでの入力を快適にする便利な機能が豊富にそろっています。片手モードやキーボードのサイズ変更、ツールバーの配置変更など、ご自身が操作しやすいよう設定できるのも大きな魅力です。
また、多言語に対応しており、入力と同時に翻訳する機能も備えているため、外国語でのコミュニケーションにも役立ちます。絵文字やステッカーを活用すれば、より感情豊かな表現が可能になります。Gboard を使いこなし、快適なコミュニケーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
※1 サードパーティのデベロッパーによって作成されたアプリのサポートや動作については、そのデベロッパーが責任を負います。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2025 年 6 月時点に Google Pixel 8(Android 15)で検証しました。
2024 年 11 月 13 日
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