スムーズな最初の一歩のために
日常生活で文書を作成する機会は多く、学生であればレポートや小論文など、社会人であれば企画書や会議録など、さまざまなシーンで必要になってきます。どのようにすればクオリティの高い文書を効率的に書けるのでしょうか。まずは最初の一歩を踏み出すための方法をご紹介します。
※ Google ドキュメントがインストールされていない場合、Google Play ストアから無料でダウンロードできます。
テンプレートでスタートダッシュ
Google ドキュメントには使いやすいテンプレートがいくつも用意されています。まずはテンプレートを選ぶことから始めると、簡単にスタートすることができるでしょう。
テンプレートの良い点は、目的の文書に必要なテーマや項目がすでにレイアウトされていること。それに合わせて書き進めていけば、自然と形になっていきます。Google ドキュメントのテンプレートは、おおまかに 5 つのカテゴリーに分かれています。
- 履歴書: 履歴書
- 手紙: レター、ビジネスレター
- 教育: 小論文、レポート、クラス通信、授業プラン
- 仕事: プロジェクト提案書、会議メモ、新入社員向け文書、パンフレット、ニュースレター
- パーソナル: レシピ、ペット プロフィール
この中から、作成する文書に合うテンプレートを選択するとよいでしょう。特に履歴書やプロジェクト提案書などは、形式があるタイプの文書ですので、テンプレートを下敷きに進めるやり方が合っています。
また、目的に合うテンプレートがなくても、応用が利く場合もあります。たとえば、旅のしおりを作成するのであれば、授業プランのテンプレートを下敷きにするのもよいでしょう。画像が豊富なレポートを作成するのであれば、パンフレットのテンプレートも参考になるかもしれません。
【テンプレートの使用方法】
- スマホで Google ドキュメント アプリを開きます
- 画面右下の新規作成アイコン をタップします
- [テンプレートを選択] をタップします
- テンプレートを選んでタップします
アイデアを思いつくままに書き留めよう
テンプレートとは異なり、あまり形にこだわらず、アイデアを思いつくままに書き留めていく方法もあります。まずは「新規ドキュメント」を作成し、少しずつ書きためていき、後で整理しながら形を整えていくと、内容の濃い文書になるでしょう。
スマホの良い点は、時間も場所も選ばないところ。スキマ時間を活用することはもちろん、思いついた瞬間にすぐにメモを取ることもできます。「良いアイデアは、机の前では生まれない」とは、よく聞く話ですね。散歩をしているとき、ランチタイムなど、意外な場所で意外なアイデアが生まれることもあります。
スマホならではの Google ドキュメントの使い方を試してみてください。
【新規ドキュメントの作成方法】
- スマホで Google ドキュメント アプリを開きます
- 画面右下の新規作成アイコン をタップします
- [新規ドキュメント] をタップします
書式設定も簡単ワンタップ
ある程度アイデアや文章を書きためたら、箇条書きを入れたり、書式を変更したりして、読みやすく整えてみましょう。Google ドキュメントでは、キーボードのすぐ上に、よく使う書式設定をまとめたメニューが表示されるので、太字やインデントなどの機能がすぐに使えて、とても便利です。
いずれの機能も、文字の入力前に選択することも、入力後に範囲指定で選択することもできます。長めの文書では、文字にメリハリをつけることはとても大切ですので、積極的に活用しましょう。また、画面上部の書式設定アイコン からは、その他の書式をより細かく設定できます。
文字メニューの機能は左から順に以下のようになっています。アイコンを長押しすると、機能を確認できます。
- [B] : 太字
- [I ] : 斜体 Shatai
- [U] : 下線
- [A] : テキストの色
- ペンマーク: ハイライトの色
- 配置(文字揃え): 左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃え
- 箇条書き: チェックリスト、箇条書き、番号付きリスト、リストのインデント、リストのインデント解除
音声入力ならとても簡単!
文字入力の方法は、キーボードだけではありません。多くの Android スマホでキーボードとして初期設定されている Gboard には「音声入力」という、とても便利な機能があります。スマホに向かって話しかけると、ほぼ音声どおりに文字が入力されていき、「句点(。)」「読点(、)」も声に出せば入力できます。手が離せないときでも、アイデアを思いついたら、気軽に入力できますね。
【音声入力の方法】
Google ドキュメント アプリでドキュメントを開きます
テキストを入力する場所をタップします
キーボードの右上にあるマイクアイコン をタップします
スマホに向かって話しかけてください
また会議内容の文字起こしには、Android スマホのレコーダーや文字起こしアプリを使うとよいでしょう。Google Pixel のレコーダー アプリなら、会議内容をスマホひとつで録音でき、音声再生だけでなく文字起こしもしてくれます。そこからコピーして Google ドキュメントに貼り付ければ、スマホだけでスピーディに議事録が完成します。
Gboard の音声入力や Google Pixel のレコーダー アプリを使って Google ドキュメントに文字起こしする方法は、スマホで簡単文字起こし! Googleドキュメントに音声入力をする方法でも紹介しています。
レコーダー アプリの文字起こし機能についてはこちらもチェック。Android の便利な使い方を Android ユーザーが動画で紹介。
オフラインでも使えるから安心!
通信環境があまり良くない場所で使う場合には、[オフラインで使用可] を選択しましょう。ネットに接続していなくても作業を進めることができるので安心です。
なお、オフラインで使用する場合は、スマホにファイルを保存するためスマホの空き容量を使用します。また、オンラインになるまで、オフラインで編集した内容や、他のユーザーがオンライン上で編集した内容は反映されませんので、ご注意ください。
オフライン使用設定は、デフォルトでオンになっていますが、手動で設定を切り替える場合は以下の手順で操作しましょう。
【オフライン使用のオン / オフを切り替える方法】
Google ドキュメント アプリでドキュメントを開きます
画面右上のその他アイコン をタップします
[オフラインで使用可] をタップしてオン / オフを切り替えます
もっと見栄えの良い文書にするために
ここまでは基本的な操作方法を解説しましたが、もっと文章を美しく整えるための機能もご紹介します。ちょっとした工夫をするだけで、より完成度の高い文書へと変わりますので、ぜひお試しください。
修正提案機能で正しい表現に
長い文章を書いていると、入力ミスをしたり、誤った表現をしたり、いろいろと間違えることもありますよね。なかなか自分で気づくのは難しいのですが、そんな箇所は一つひとつ Google ドキュメントが指摘してくれます。
赤い下線が現れたら誤字、青い下線が現れたら間違った文法である可能性があります。その文字をタップすると正しい表現の候補が出てくるので、それをタップするだけで正しい文章に変わります。
【間違った文章の修正方法】
Google ドキュメントの作成中に誤りの可能性がある表現があると、その箇所に赤または青の下線が現れます
赤または青の下線の文字をタップします
正しい表現をタップします
取り消し線を入れて変更点をわかりやすく示す
文章や文字の修正をあえて残したり、情報の変更箇所を強調したいときは、テキストの上に重ねて横線を引く「取り消し(打ち消し)線」を使ってみましょう。たとえば、イベントの開催日時の変更を知らせるチラシや、値下げの情報を強調したいポップなど、応用できるシーンはさまざまです。
【取り消し線を使う方法】
右下の編集アイコン をタップします
テキストの中から取り消し線を引きたい箇所をダブルタップ / 長押しして選択します
書式設定アイコン をタップします
「形式」の中で下にスクロールし、取り消し線アイコン をタップすると、テキスト上に取り消し線が表示されます
文字のカウントや置換で文章を整える
文書内の文字数のカウントや、文字の検索や置換が可能です。文章を整えたり練り直したりするときに、かなり役立つのではないでしょうか。
【文字カウントの方法】
画面右上のその他アイコン をタップします
[文字カウント] をタップします
【検索の方法】
画面右上のその他アイコン をタップします
[検索と置換] をタップします
検索する文字を入力します
キーボードの検索アイコン をタップすると、該当する箇所が着色されます
【置換の方法】
- 画面右上のその他アイコン をタップします
- [検索と置換] をタップします
- 置換したい文字を入力し、キーボードの検索アイコン をタップします
- 置換したい文字が選択された状態で画面右上のその他アイコン をタップします
- 選択している文字(濃く着色されている箇所)のみ置き換える場合は [置換] を、該当する文字すべてを置き換える場合は [すべて置換] をタップします
- 画面下部に置換したい文字を入力し、[置換] または [すべて置換] をタップします
- 完了アイコン をタップしてドキュメントに戻ります
画像の挿入や表の作成もできる
文章をよりわかりやすくしたり、読みやすくするために、画像や表などを挿入すると効果的でしょう。Google ドキュメントでは、スマホ上でも簡単に画像や表の挿入ができます。
【画像の挿入方法】
画像を挿入したい箇所をタップします
画面上部にある挿入アイコン をタップします
[画像] をタップします
画像の追加方法を [写真から]、[カメラから]、[ウェブから] の中から選択します
挿入したい画像をタップするか、カメラを選択した場合はその場で撮影します。
【表の作成方法】
画面上部にある挿入アイコン をタップします
[表] をタップします
作成したい表の列と行の数を選択します
[表を挿入] をタップします
ページ番号や脚注も付けられる
レポートや論文、その他一部の文書では、ページ番号や参考文献、欄外での説明のための脚注が必要になるシーンもあるでしょう。その挿入方法を簡単にご説明します。
【ページ番号の挿入方法】
画面上部の挿入アイコン をタップします
メニューの下部にある [ページ番号] をタップします
ページ番号を挿入する位置を選択します
【脚注の挿入方法】
ドキュメントの脚注をつけたい箇所をタップします
画面上部の挿入アイコン をタップします
メニューの下部にある [脚注] をタップします
ページの最下部に脚注が表示されるので、そこに内容を入力します
PDF ファイル化でレイアウトをそのままに
文章を整えて、画像や表を挿入して完成度の高い文書ができ上がったら、そのままのレイアウトを維持しておきたいですよね。作成したドキュメント ファイルは、PDF ファイル化しておくことで、レイアウトを崩すことなく保存や印刷することができます。完成した資料を他のユーザーに共有したいときにも活用できるでしょう。
【ファイルを PDF 化する方法】
画面右上にあるその他アイコン をタップします
[共有とエクスポート] をタップします
[名前を付けて保存] をタップします
[PDF ドキュメント(.pdf)] を選択 → [OK] をタップします
Google ドライブに PDF ファイルが保存されます
思考に集中できる応用ティップス
これまでにご紹介した機能を使えば、たいていの文書の作成は問題なく進められると思います。それでも、考えがまとまらなかったり、気乗りがしなかったり…。ここでは、そんな作業を少しでも気楽に進めるために、役に立つ機能をご紹介します。
外国語に翻訳して入力できる
英語やフランス語などの外国語で文章を書かなければならないときは、キーボード アプリの Gboard が強い味方です。日本語を入力すると同時に翻訳され、そのまま Google ドキュメントに入力されていきます。100 以上の言語に対応しているので、表現の幅がぐっと広がりますね。
【テキストを翻訳する方法】
- Google ドキュメントのキーボードの最上段にある翻訳アイコン をタップ、翻訳アイコンがなければ [機能を開く] メニュー をタップして下部に表示された翻訳アイコンをタップします
- 左側の [原文の言語] が [言語を検出] か [日本語] になっていることを確認します(左下の図)
- 右側の [訳文の言語] が [英語] であることを確認(左下の図)、それ以外の言語に訳したい場合は [英語] をタップして [訳文の言語] を選択します(右下の図)
- 日本語を入力すると、同時に翻訳された文章が直接本文に入力されます
概要機能を使うと全体を見渡しながら書ける
Google ドキュメントには、ドキュメントの概要を表示する機能があります。先に書く項目を箇条書きにして、それぞれを見出しに設定すれば、ドキュメントの概要として表示されます。もちろん、見出しに指定した後も修正は可能です。
また、特に見出しの設定をしなくても、大きな文字や太い文字は自動的に概要として表示されます。しかし、きちんと階層化された概要を作成したい場合は、下記のステップで設定してください。
【概要の作り方】
見出しにしたいテキストをタップして選択します
画面上部にある書式設定アイコン をタップします
画面下部にメニューが表示されるので、[標準テキスト] をタップします
[タイトル]、[サブタイトル]、[見出し 1]、[見出し 2]、[見出し 3] …などから見出しの種類を選択します
なお、テンプレートを使用した文書は、あらかじめスタイルが設定されているので、簡単に概要を確認することができて便利です。
【概要の表示方法】
ドキュメントの画面右上にあるその他アイコン をタップします
[ドキュメントの概要] をタップすると、画面下部に概要が表示されます
概要を表示することで文書全体を俯瞰することができ、より高い視点を持つことができたり、全体構成を見直すこともできるでしょう。もちろん概要をタップすれば、該当箇所にジャンプしますので、いろいろと活用できそうですね。
パソコンと同期して作業する
Google の各種サービスの大きな強みのひとつに、さまざまなデバイスで情報を共有できる点があります。Google ドキュメントもしかり。スマホで作成した文書をパソコンと同期させ、大きな画面上で確認して微調整することもできます。スマホとパソコンとでは画面の大きさが違うため、画像のサイズや文字の折り返しのタイミングなどが異なってきます。目的に合わせて、双方を同時に確認しながら調整することも可能です。
時間を大切にできる効率的な文書作成
Google ドキュメントでの文書作成の方法について、基本操作や便利なティップスを中心に紹介してきました。Android スマホのアプリを使えば、忙しい日々の合間に移動時間や待ち時間を生かして作業をしたり、あるいはパソコンの前に長く座り続けた後に外出してリフレッシュしながら作業をしたり、快適な環境で取り組めるのが大きなメリットです。重いパソコンを持ち歩かなくても、スマホひとつでさまざまな作業ができ、タイム パフォーマンスを高めることができるでしょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2024 年 9 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。
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