電話番号のみでやり取りできる SMS とは? 概要や使い方、他のサービスとの違いを解説
電話番号のみでやり取りできる SMS とは? 概要や使い方、他のサービスとの違いを解説

電話番号のみでやり取りできる SMS とは? 概要や使い方、他のサービスとの違いを解説

2024.07.16

電話番号のみでやり取りできる SMS とは? 概要や使い方、他のサービスとの違いを解説

「SMS(ショート メッセージ サービス)」は、スマホで利用できるメッセージ サービスの一つです。ほぼすべてのスマホが対応する携帯通信網の規格を使ったサービスのため、世界中で使われています。そんな SMS にはどのような特徴があるのでしょうか。本記事では SMS の概要や他のメッセージ サービスとの違い、Android スマホで SMS を使う方法などについて紹介します。

SMS とは

SMS(ショート メッセージ サービス)は「ショートメール」とも呼ばれ、機種や携帯通信会社を問わず、ほぼすべてのスマホで利用できるサービスです。ここでは、SMS の特徴について解説します。

SMS とは

電話番号だけでテキスト メッセージを送れる

SMS は、相手の電話番号宛てにメッセージを送信できるサービスです。相手のメールアドレスやメッセージ アプリの ID を知らなくてもテキスト メッセージをやりとりでき、携帯通信会社によっては他の国のスマホともメッセージの送受信が可能です。

一度に送信できる文字数は 670 文字(全角)までで、画像や動画、音声データなどは送信できません。テキストの送受信に特化したサービスといえるでしょう。個人間のやりとりはもちろん、宿泊予約の確認やアンケートなど、企業の情報発信などにも利用されています。

SMS の料金

SMS のメッセージの送信には料金がかかります。文字数によって異なりますが、基本的に 1 通あたり 3 円以上で、受信側は費用がかかりません。携帯通信会社が同じスマホ同士なら無料となるケースもあります。

※SMS の概要や仕様、送受信の費用は携帯通信会社によって異なる場合があります。詳しくは契約している携帯通信会社のウェブページをご覧ください。

SMS 認証に利用できる

SMS 認証は、ウェブサイトやアプリなどで会員登録やログインをする際に、本人確認を安全に行うための認証方法のひとつです。サービス側がランダムな番号を SMS に送信し、ユーザーがその番号をサイトやアプリに入力することで認証を行う仕組みになっています。

その SMS を受信できるスマホを持っていない人は、認証に必要な番号を知ることができません。都度異なる番号を送信することで、仮に漏洩しても、その番号を使ってログインできないよう、安全性を高めています。

2 段階認証に利用できる

SMS 認証は、2 段階認証にも利用されています。2 段階認証とは、ID やパスワード以外に 2 つめの認証方法を追加してセキュリティを強化する仕組みです。SMS 認証を用いた 2 段階認証では、ID とパスワードを入力してログインしたのち、スマホに送られてきた認証コードを入力する必要があります。

これは、ID とパスワードという「知識要素」と、スマホを持っているという「所有要素」の 2 つの要素を組み合わせた 2 要素認証になり、より安心といえるでしょう。

ただし、SMS は基本的に暗号化されていないため、認証番号を傍受される可能性も否定できません。より高いセキュリティを求める場合は、サイト登録などで SMS 認証以外の選択肢(同じ「所有要素」でも、複雑な鍵情報をやりとりする認証アプリやトークンなど)があれば利用を検討しましょう。さらに、それらの鍵の取り出しや認証の際に「生体要素」である指紋認証や顔認証などを組み合わせると、より安全です。

RCS、MMS、Email との違い

SMS と似たサービスに、RCS や MMS、Email があります。RCS や MMS はテキストに加えて、画像や音声も送れるのが特徴です。ただし、SMS はほぼすべてのスマホで使用できるのに対して、RCS や MMS は携帯通信会社やスマホの機種によっては使えない場合があります。

ここでは RCS や MMS、Email が、 SMS とどう違うのかについて解説します。

RCS、MMS、Email との違い

RCS と SMS の違い

RCS (リッチ コミュニケーション サービス)は SMS の機能に加えて、長文のメッセージや画像、動画、音声メッセージなどのファイルも送受信できるサービスです。SMS 同様、電話番号がわかれば送信でき、SMS 認証や 2 段階認証の受信も可能です。このようにメリットが多いため、最近では SMS の標準アプリとして RCS が搭載されていることが多いようです。

とても便利な RCS ですが、相手が RCS に対応していないときや互換性のない RCS を利用している場合には、自動的に SMS での送受信となります。そのため、画像や動画などのファイルは送れません。また、RCS は Wi-Fi やモバイルデータ通信を使用して送信されるため送信に料金はかかりませんが、SMS で送信する場合には SMS の料金が発生します。

RCS である「Google メッセージ」アプリは、高解像度の写真や動画を共有できるだけでなく、相手が入力中や既読であることがわかるなど、多くの機能が備わっています。また、セキュリティ面も強化されており、「Google メッセージ」から送信されるメッセージや添付ファイルは、すべてエンドツーエンド(端から端まで)の暗号化が適用されるため安全です。

このほか、国内の大手携帯通信会社は共同で「+メッセージ」という RCS に対応したメッセージ アプリを提供しています。

※ RCS の送受信料は無料ですが、Wi-Fi やモバイルデータ通信を使うため、データ通信料が料金プランに含まれていない場合はデータ通信料が必要になります。

※RCS チャットについて、詳しくはヘルプセンターの Rich Communication Services(RCS)メッセージについてをご覧ください。

MMS と SMS の違い

MMS(マルチメディア メッセージング サービス) は、携帯通信会社のメールアドレス(同じ携帯通信会社の場合は電話番号でも可)を利用してデータを送受信するサービスです。SMS の上限よりも文字量の多いテキスト、絵文字、写真を送受信できます。

また、SMS はメッセージを送信するごとに送信料が発生しますが、MMS は送受信とも、携帯通信会社の提供するデータ通信に含まれます。同じ携帯通信会社のスマホ同士なら無料になることもあります。

MMS は、SMS のようにほとんどのスマホで利用できるわけではありません。MMS を提供していない携帯通信会社もあり、契約先によっては使えない場合があります。

Email と SMS の違い

Email はメールアドレスを利用してメッセージをやりとりするサービスです。携帯通信会社が提供するアドレスのほか、Gmail などのメールサービスが無料で提供するアドレスが使われています。テキスト メッセージだけでなく、画像や動画などのファイルを送受信することもできます。

SMS はチャット形式のアプリを使って気軽に会話できることが特長ですが、Email を使用するメリットは送受信したメールをフォルダで管理できる点にあるといえるでしょう。

メッセージ アプリで SMS を送信するには

Android スマホでは、メッセージ アプリを使って SMS の送受信を行います。メッセージ アプリは初めからインストールされている場合が多く、最近では基本的に RCS にも対応しています。

今回は Google メッセージ アプリを例に、SMS の送信手順を説明します。

※ご利用になるメッセージ アプリの種類によって、仕様や機能は異なります。

メッセージ アプリで SMS を送信するには

Google メッセージ アプリで SMS を送信する方法

Google メッセージ アプリは RCS に対応しています。受信者も Google メッセージ アプリを利用している場合は RCS でメッセージが送信されるため、画像や動画などを送信できます。受信者が互換性のないメッセージ アプリを利用している場合は自動的に SMS での送信となり、画像や動画を送ることができません。

Google メッセージ アプリで SMS を送信する手順は次のとおりです。

  1. Google メッセージ アプリを開きます
  2. [チャットを開始] をタップします

メッセージアプリで SMS を送信する画面

  1. 表示される連絡先の一覧から、送信したい人をタップして選びます。または、メッセージを送信する相手の名前、電話番号、メールアドレスのいずれかを入力して、表示された候補の中から送信先をタップします

メッセージアプリで電話番号を入力する画面

  1. メッセージを入力して送信アイコン(紙飛行機マーク)をタップします

メッセージアプリで SMS を送信する場面

Google メッセージ アプリに関する詳細は、ヘルプセンターの Google メッセージを使ってみるをご覧ください。

複数のメッセージ アプリがインストールされている場合

Android スマホに複数の SMS アプリがインストールされている場合、またはメッセージアプリを後からインストールした場合には、いずれかのメッセージ アプリをデフォルトの SMS アプリ(標準で使う SMS アプリ)に設定できます。手順は以下のとおりです。

  1. 設定アプリを開きます
  2. [アプリ] をタップします
  3. [デフォルトのアプリ] をタップします
  4. [SMS アプリ] をタップします
  5. デフォルトに設定したいアプリをタップします

以上の操作で、好きな SMS アプリをデフォルトに設定できます。

SMS を利用する際の注意点

SMS は電話番号を知っていればメッセージを送信できる便利なサービスですが、いくつかの注意点もあります。

SMS を利用する際の注意点

画像や動画は送れない

本記事前半の「SMS とは」でも説明したように、SMS で送受信できるのはテキスト データのみです。使用するメッセージ アプリによっては動画や画像などを送る機能がありますが、これは前に説明した RCS などの機能を利用して送信するものです。送信相手が RCS に対応していない場合は SMS での送信となり、画像や動画などを送れないので注意しましょう。

送信できる文字数や件数に制限がある

前述の通り、SMS には文字数制限があります。基本的には最大 670 文字までの送受信が可能ですが、国内から海外宛てなど、一部の条件下では文字数の上限がさらに少なくなることがあります。

送信にかかる料金は送信文字数に比例して加算されます。契約している携帯通信会社のウェブページなどを確認し、おおよその料金を把握しておくとよいでしょう。

また、多くの携帯通信会社は、1 日に送信できるメッセージの件数を制限しています。迷惑メール対策の一環として、約 200 通未満に制限していることが多いようです。携帯通信会社によっては、制限件数に達した後 24 時間は利用が制限される場合もあります。

電話回線が圏外のときは利用できない

SMS は電話網(回線交換ネットワーク)を用いて送受信を行うため、電話回線が圏外のときは利用できません。

受信側が圏外のときやスマホの電源をオフにしている場合、メッセージは一定期間保管されますが、保管期間を過ぎると自動で消去されます。なお、保管期間は携帯通信会社によって異なり、保存件数を超えると消去される場合もあります。

複数人に一斉送信できない

SMS は、同じメッセージを複数人に一斉送信することはできません。キャンペーンの案内やアンケートなどに利用されている法人向けの SMS 送信サービスでは、キャリアに直接接続する方法で一斉送信を実現しています。

一部の SIM カードでは SMS を利用できない場合も

SIM カードとは、利用者の識別番号や電話番号などの情報が記録されているカードのことです。契約している携帯通信会社の回線を利用する場合は、SIM カードをスマホに挿入する必要があります。

SIM カードには、電話回線を使った音声通話ができる「音声通話 SIM」とデータ通信のみ利用できる「データ SIM」がありますが、一部のデータ SIM では SMS を利用できません。SMS を利用したい場合は音声通話 SIM を使うか、SMS 機能がオプションとして追加されたデータ SIM を契約すればよいでしょう。詳しくは携帯通信会社のウェブページを確認してみてください。

SMS を利用した詐欺に注意

SMS は電話番号宛てに送信できるため、詐欺に利用されるケースもあります。携帯通信会社や宅配会社、通販サイトなどを装った SMS も多いため、心あたりのない SMS を受信した場合は  SMS に書かれている URL などを確認しましょう。真偽が不明な場合は、直接アクセスしないよう注意してください。また、必要に応じて、送信元をブロックするなどの対策を行うとよいでしょう。


Google メッセージアプリで特定のユーザーをブロックする方法は、ヘルプセンターの Google メッセージで送信者をブロックしてスパムとして報告するをご覧ください。

自分にあったメッセージアプリでコミュニケーションを取ろう!

SMS はスマホに搭載されているメッセージ機能です。携帯通信会社や機種を問わず、メッセージを送りたい相手の電話番号を知っていれば利用できます。2 段階認証や SMS 認証といった本人確認にも活用されています。

また、最近では Google メッセージ アプリなど、SMS にも対応した RCS アプリが標準搭載されることが多いようです。RCS は SMS の機能に加えて、写真や動画の送受信もできますが、相手が RCS に対応していないときや互換性のない RCS を利用している場合には、自動的に SMS での送受信となります。

なお、SMS は写真や動画を送れない、複数人に一斉送信できない、文字数は最大 670 文字、電話回線が圏外の場合は送受信できない、などの制限があります。SMS や RCS の特徴や注意点を理解したうえで、自分にあった使い方でメッセージアプリを活用しましょう。

※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。

※本記事は、2024 年 5 月時点に Google Pixel 8(Android 14)で検証しました。

前の記事

Android スマホに搭載された便利機能8選!機能や設定方法を解説

Android スマホに搭載された便利機能8選!機能や設定方法を解説

Androidの使い方 2022.03.25

次の記事

Android スマホの壁紙(待ち受け画像)を自分好みに。日替わり壁紙やスクリーンセーバーも設定できる

Android スマホの壁紙(待ち受け画像)を自分好みに。日替わり壁紙やスクリーンセーバーも設定できる

Androidの使い方 2023.05.12