Gboard は、Google が無料で提供する多機能なキーボード アプリで、日本語はもちろん、150 を超えるさまざまな言語のキーボードを追加することができます。キーボード レイアウト(キーボード配列)も言語ごとに豊富に用意されており、複数の言語とキーボードを設定することも可能です。本記事では、Gboard で使えるキーボードの種類や、便利なキーボード設定について、詳しく紹介します。
Gboard で使えるキーボード レイアウト(キーボード配列)
Gboard の日本語入力には、初期設定時に選択できる 12 キーと QWERTY のほか、全部で 5 種類のキーボード レイアウトがあり、好みのものを使用できます(複数選択することも可能です)。また、英語をはじめとした複数の言語のキーボードを追加することもできます。
初期設定後にキーボード レイアウトを追加するには、キーボード上部のツールバーにある設定アイコン → [言語] → [日本語] の順にタップして、追加したいレイアウトをタップしましょう。
ここでは、Gboard で使えるキーボード レイアウトについて詳しく紹介します。
12 キー
12 キーは、ひらがなや数字など 12 個のキーが並ぶシンプルなキーボード レイアウトで、一つのキーに複数の文字が割り当てられています。同じキーを複数回タップすることで割り当てられている文字を切り替えて入力する「ケータイ打ち(トグル入力)」と、キーを上下左右にフリックする(指でスライドする)ことでそれぞれの方向に割り当てられた文字を入力する「フリック入力」が使用できます。
たとえば「あ」のキーには、あ行のひらがな(あいうえお)が割り当てられています。ケータイ打ちをする場合は「あ」のキーをタップするごとに「あ→い→う→え→お」と入力候補の文字が切り替わります。フリック入力の場合は、「あ」をタッチしたまま指を左に払うと「い」、上だと「う」、右だと「え」、下だと「お」が入力されます。
デフォルトでは、どちらの入力方法も利用できるようになっていますが、フリック入力のみを使用する場合は、ケータイ打ちを無効に設定しておくと、同じ文字の連続入力(例: あああ)がしやすくなります。手順は、記事後半のキーボードがより使いやすくなる便利な設定でご紹介しています。
QWERTY
QWERTY は、一番上の行の左から 6 文字が「Q」「W」「E」「R」「T」「Y」と並んでいる、多くのパソコンに採用されているアルファベットのキーボード レイアウトです。
パソコンを使い慣れている方にとっては入力がしやすいかもしれません。QWERTY で入力する場合は、ローマ字入力になります。
QWERTY がさらに使いやすくなる便利な設定を、こちらの記事で紹介しています。
手書き入力
手書き入力キーボードでは、スマホの画面に指で文字を書いて、テキストを入力できます。
読み方がわからない漢字や地名、記号、変換が難しい文字などを入力したいシーンで役立ちます。キーボードに慣れていない人でも、紙に書くような感覚で文字を入力できるでしょう。複数の文字を並べて書いたり、英数字や記号を入力することもできます。なお、手書き入力の速度や線の太さを変更することもできます。
手書き入力についての詳細は、ヘルプセンターのキーボードでの手書き入力をご覧ください。
GODAN
GODAN は、スマホでスムーズにローマ字入力ができるようにデザインされたキーボード レイアウトです。キーボードの左側に A、I、U、E、O(あいうえお)が縦に並び、中央と右側に K、S、T、N、H、M、Y、R、W(かさたなはまやらわ)が配置されています。
両手でスマホを持って、右手で子音、左手で母音をタップすると素早くテキストが入力できます。
五十音
五十音は、ひらがなが五十音順に並んだキーボード レイアウトです。
すべてのひらがなが表示されているため、キーボードを使い慣れていない方でも入力しやすいでしょう。
設定した複数のキーボード レイアウトを切り替えて使用する場合は、キーボード下部にある言語切り替えキー をタップまたは長押しして、切り替えたいキーボード レイアウトを選択します。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
その他の言語のキーボード
Gboard には、他の言語を追加することもできます。英語や中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語など幅広い言語のキーボードが用意されており、言語ごとにキーボード レイアウトを選択することができます。たとえば、英語(English(US))を選択した場合、QWERTY、Handwriting、QWERTZ、AZERTY、Dvorak など 9 種類のキーボード レイアウトを選択できます。
左上から QWERTY 、Handwriting、QWERTZ、AZERTY、Dvorak、PC、Colemak、Morse code、ClearFlow
言語を追加するには、Gboard の設定アイコン をタップし、[言語]→[+ キーボードを追加]をタップして、追加したい言語を選択し、キーボード レイアウトを選びます。
また、英語をはじめとした外国語キーボードでは、文字から文字へ指をスライドさせて単語を入力する「グライド入力」を使用できます。
キーを一つずつタップする必要がなく、また、正確に指をスライドしなくても単語が予測変換されるため、文章が素早く入力できるでしょう。
キーボードがより使いやすくなる便利な設定
ここからは、Gboard のキーボードをより自分好みにカスタマイズする方法を紹介します。
英字入力を QWERTY にする
日本語入力に 12 キーを使用している方のなかには、「アルファベット入力のときは、パソコンのキーボードで見慣れている QWERTY を使いたい」という方もいらっしゃるでしょう。次の手順で、アルファベット入力を QWERTY に設定することができます。
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- テキストを入力する場所をタップします
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします
- [言語] をタップします
- [日本語 12 キー] をタップします
- [12 キー レイアウトの設定] の [英字入力は QWERTY] をタップしてオンにします(初期設定時に、アルファベット入力に QWERTY を選択した場合は、自動でオンになっています)
12 キーをフリック入力のみにする
12 キーでフリック入力のみを使用している場合は、ケータイ打ちを無効にして、フリック入力のみに設定すると、より入力しやすくなるかもしれません。次の手順で設定します。
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- テキストを入力する場所をタップします
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします
- [言語] をタップします
- [日本語 12 キー] をタップします
- [12 キー レイアウトの設定] の [フリックのみ] をタップしてオンにします
ワンタップで半角スペースを入力する
日本語入力中にスペースキーをタップすると、通常は全角スペースが入力されます。半角スペースを挿入するには、文字種を一旦アルファベットや数字に変更する必要がありますが、文字種を切り替えなくても常に半角スペースを入力するよう設定することができます。
全角のスペースを使わない方や半角スペースを使用する機会が多い方は、設定しておくと便利でしょう。設定手順は以下のとおりです。
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- テキストを入力する場所をタップします
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [言語] をタップします
- [日本語 12 キー] をタップします
- [言語設定] の [半角スペースの使用] をタップしてオンにします
全角スペースを入力したい場合は、「くうはく」「すぺーす」と入力して変換することができます。
三状態キーボード
三状態キーボードとは、[あa1] で切り替えられる数字キーボードを追加する機能で、デフォルトでオンになっています。オンの状態のときは、[あa1] をタップするたびに、キーボードがひらがな→アルファベット→数字の順番に切り替わります。
数字キーボードの各数字のキーに 〒、$、& などの記号も割り当てられているので、数字はタップで、記号はフリック入力やケータイ打ちで入力することができます。
三状態キーボードがオフのときは、文字種切り替えキーとは別に、数字キーボードへの切り替えキー [?123] が常に表示されます。一度のタップで文字と数字のキーボードが切り替えられるので、数字や記号を頻繁に入力する方は、こちらが便利かもしれません。
三状態キーボードがオフの状態では、数字のキーボード(下の画像左側)と記号のキーボード(下の画像右側)が別々に表示されます。ひらがなキーボードの [?123] をタップすると、数字キーボードか記号キーボードが表示され、 [!?#] と [1234] のキーをタップするたびに切り替わります。
三状態キーボードがオフの状態 左: 数字キーボード 右: 記号キーボード
三状態キーボードの設定は、次の手順で確認または変更できます。
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- テキストを入力する場所をタップします
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [言語] をタップします
- [日本語 12 キー] をタップします
- [ソフトウェア キーボードの設定] の [三状態キーボードの使用] をタップしてオン / オフを切り替えます
キーボードに数字行を表示する
QWERTY、QWERTZ、AZERTY レイアウトのキーボードでは、数字行を表示できます。数字行を表示すると、キーボードの上部に数字キーが追加されるので、文字種を切り替えずに数字が入力できます。この設定は、日本語で英字入力を QWERTY レイアウトにしている場合も可能です。
キーボードに数字行を追加する手順については、スマホのキーボード(Gboard)を QWERTY 配列に切り替えるには? 設定方法などを解説をご覧ください。
長押しで記号表示
QWERTY などのキーボード レイアウトでは、記号を入力する際にピリオドキー(句点のキー)を長押しすると、& や % などの記号を簡単に入力できます。また「長押しで記号表示」の機能をオンにすると、文字キーの右上に小さく数字や記号が表示されます。
文字キーを長押しすることで、各キーの右上にある数字や記号を入力することができ、文字種やキーボードを切り替える必要がありません。数字や記号を頻繁に入力する方には便利な機能でしょう。次の手順で設定できます。
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されていない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [設定] をタップします
- [長押しで記号表示] をオンにします
Gboard には、これまで紹介した機能以外にも、便利に使える多くの設定があります。詳しくは、以下の記事を合わせてご覧ください。
使いやすいキーボード レイアウトで Gboard のテキスト入力をスムーズに
この記事では、Gboard で使えるキーボード レイアウトや便利な設定について、詳しく解説しました。Gboard は、多様なキーボード レイアウトや言語が用意されており、用途や好みに応じて複数設定できます。
また、フリック入力のみ使用できるようにする、キーボードの上部に数字行を表示するなど、自分好みのカスタマイズも可能です。ご自身に最適なキーボード レイアウトと設定を見つけて、より使いやすくしてみてはいかがでしょうか。
Gboad の初期設定や基本的な操作方法については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、参考になさってください。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2025 年 6 月時点に Google Pixel 8(Android 15)で検証しました。
2024 年 11 月 13 日
2024 年 11 月 13 日