モバイル プロジェクターとは? 魅力も解説
モバイル プロジェクターとは、持ち運びに便利なプロジェクターです。プロジェクターとはスマホやパソコン、テレビなどの画面を壁やスクリーンに投影する機器のことで、学会での発表やプレゼンテーション、親しい人たちとの映画鑑賞などさまざまなシーンで活用できます。
暗い室内で大きなスクリーンにグラフや表、映像を投影して説明しているシーンを想像するとわかりやすいでしょう。
通常のプロジェクターは電源に接続する必要があり、使用シーンが限られます。一方でモバイル プロジェクターはバッテリーが搭載されていることが多いため、場所を選ばず使用可能です。
電源が使えない訪問先での会議やプレゼンテーション、キャンプ場での映画鑑賞などさまざまな場面で活躍します。
スマホとモバイル プロジェクターを組み合わせることで、スマホ内の写真や映像を多くの人々と鑑賞できます。
投影する場所は、もちろん専用のスクリーンが望ましいですが、白い壁にも投影可能です。白くて凹凸のない壁や、天井、テントの壁などもスクリーンとして使えます。
モバイル プロジェクターを選ぶときのポイント
モバイル プロジェクターにはさまざまな種類があります。ここでは使いたい用途に合ったモバイル プロジェクターを選ぶための基礎知識を紹介します。モバイル プロジェクターはさまざまな機能で分類できます。
投影方式
モバイル プロジェクターの投影方式は以下の 3 つです。
【液晶方式】
液晶方式は、きれいな色合いが特徴です。動きが滑らかで自然な色合いを再現できるため家庭用プロジェクターに向いているとされています。
【 DLP 方式】
反射型ミラーを使用した投影方式で、経年劣化しにくいというメリットがあります。構造がシンプルで軽量化しやすいため、小型のモバイル プロジェクターに向いています。
【 LCOS 方式】
反射型液晶パネルを用いて、映像を投影する仕組みを持つのが LCOS 方式です。解像度、色合いともに質が高く高画質な映像を楽しめるため、価格も高い傾向にあります。
それぞれの特徴を把握し、予算や使用シーンなどに応じて選択しましょう。
OS 搭載
モバイル プロジェクターには、プロジェクター自体に Android などの OS が搭載されているものがあります。OS が搭載されているものを選べば、パソコンやスマホを接続しなくても、ストリーミング動画などを楽しめます。
接続方式
モバイル プロジェクターとスマホなどのデバイスの主な接続方法には、無線接続と有線接続の 2 通りあります。
【無線接続】
無線での接続方法は Bluetooth や Wi-Fi があります。ケーブルで接続する必要がないため場所を選ばず、手軽にプロジェクターを使用できるでしょう。Bluetooth で接続する場合、接続状況によっては遅延や映像の乱れが生じる可能性があります。
Wi-Fi で接続する場合は、通信速度によって、映像がスムーズに投影されるかが左右されるので、通信速度が遅い場所で使用する場合は、Wi-Fi 接続は避け、有線接続の方が安心かもしれません。
【有線接続】
HDMI ケーブルなどの有線接続は、遅延や乱れの少ない映像を楽しめます。しかしスマホとプロジェクターに装備されたコネクタの種類により、接続するケーブルが異なる場合があります。そのようなときは変換アダプタが必要になるので、事前に確認するとよいでしょう。
バッテリー容量と充電方式
ほとんどのモバイル プロジェクターには、バッテリーが搭載されています。バッテリーが搭載されていれば電源を確保できない場所でも使用可能です。ただし、長時間利用する場合は内蔵バッテリーの容量が多いものを選ぶとよいでしょう。容量が少ない場合は、予備として大容量のモバイルバッテリーを用意して、プロジェクター本体の充電方式を確認しておくとよいでしょう。
プロジェクター本体の充電方式は、製品によってさまざまです。たとえば、USB ケーブルで充電できるものならば、コンセントから給電しなくてもモバイルバッテリーで充電しながら長時間駆動させるといった使い方も可能でしょう。
モバイルプロジェクターを選ぶ場合には、バッテリー容量やプロジェクター本体の充電方式も重要な選定基準ではないでしょうか。
大きさと重量
モバイル プロジェクターは、20 cm 未満で重量が 2 kg 程度あるような大きなものから、ポケットに入るほどコンパクトなものまでさまざまな製品があります。コンパクトなものなら、寝室やリビングなど手軽に持ち運べて好きな場所で使えます。また、バッテリーが内蔵されている製品も多く、キャンプなどのアウトドアに持参して楽しむこともできます。
音響
ほとんどのモバイル プロジェクターにはスピーカーが内蔵されています。スピーカーの音量は、スピーカーの出力を示す W(ワット)数を基準にして選びましょう。原則として W 数が多ければ、出力可能な音も大きくなります。
屋外や部屋での使用は 10 W 程度、リビングや会議室といった広い場所で使用する場合は 20 W 以上の出力のものを目安として選ぶとよいでしょう。
モバイル プロジェクターを使うときの注意点
モバイル プロジェクターを使用する際の注意点を確認しておきましょう。まず、モバイル プロジェクターは通常のプロジェクターに比べて解像度が低いため、細かい文字が見えづらいことがあります。プレゼンの資料などに小さな文字や数字を使っている場合は文字が潰れてしまう可能性があるので注意しましょう。
また、照明や日光などの光によって映像を映す光源が遮られてしまうので、使用する部屋はなるべく暗くするとよいでしょう。製品によって投影距離は異なりますが、投影できるスクリーンの大きさを考えると、大人数が参加するような会議には適していません。
もう一つ注意したい点は、モバイル プロジェクターの大画面にスマホやパソコンの通知が表示されるという点です。投影中に社外秘の情報や他社からのメッセージ、プライベートなやりとりなどが表示される可能性があります。複数人でモバイル プロジェクターの映像や画像を視聴する場合は、メッセージや電話の通知をオフにしておきましょう。
そのほか、バッテリー残量の低下や通信速度の遅さによる投影の中断も避けたいものです。訪問先でのプレゼンテーションでスマホを活用してモバイル プロジェクターへ資料などの映像を投影する場合には、スマホを充電しながら投影するとよいでしょう。また通信に左右されないケーブル接続などで使用するとよいかもしれません。
モバイル プロジェクターは使用する場所などを基準に最適なものを選ぼう
モバイル プロジェクターは会議やプレゼンテーションのときに資料を映し出したり、キャンプ場で映画を鑑賞したりなどたくさんの便利な使い方ができます。モバイル プロジェクターを選ぶ場合は、自分の使用目的に合ったタイプのものを選択しましょう。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事で紹介した内容は、執筆時(2022 年 10 月)のものです。