「フリック入力」はスマホの文字入力方法の一つです。従来のガラケーとは違う入力方法なので、「フリック入力って覚えると便利なの?」「フリック入力に慣れるにはどうしたらいいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。本記事では、スマホのフリック入力について、メリットや基本操作、設定方法を紹介します。
スマホのフリック入力とは
フリック入力とは、スマホのキーボードで日本語を入力する方法の一つで、「12 キー」のキーボード配列で使用できます。12 キー配列の文字入力の方法には、大きく分けて「トグル入力(ケータイ打ち)」と「フリック入力」があります。
トグル入力とは、従来のガラケーのように同じキーを複数回タップして入力する方法です。たとえば、「お」と入力したい場合には、「あ」のキーを 5 回タップします。
これに対し、フリック入力はキーを中心から上下左右にフリックする(指ではじく)ことでそれぞれの方向に割り当てられた文字を入力できます。たとえば、「お」と入力したい場合には、「あ」のキーをタップしたまま下向きに指を滑らせます。
フリック入力を活用するメリット
フリック入力を習得すると、どのようなメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。
入力時のタップ数が少なくなる
フリック入力はトグル入力よりもタップ数が少なくなるため、より効率的に入力できます。
上述したとおり、たとえば「お」を入力する場合は、トグル入力ならば「あ」を 5 回タップする必要があります。一方でフリック入力ならば、下に 1 回フリックする(指ではじく)だけで入力が可能です。
たとえば、「こんにちは」を入力する回数を比較すると以下のようになります。
- トグル入力でのタップ数: 13 回
- フリック入力の操作回数: 5 回
慣れてくれば、タップする回数の少ないフリック入力の方が素早く入力できるでしょう。
記号の入力も素早くできる
たとえば、Google Pixel などの Android スマホで広く利用されている Gboard の場合、フリック入力なら、「、」「。」「?」「!」などの記号も文字同様に 1 回のアクションで入力が可能です。
また、「~」や「ー」は「わ」のキー、「()」などの括弧類は「や」のキーでフリック入力ができます。指の動きで配置を覚えてしまえば、一部の記号は最小限のタップ数で入力が可能です。
フリック入力の基本操作
フリック入力は、主に 12 キー配列で使用します。12 キーは、ひらがなや数字など 12 個のキーが並ぶシンプルなキーボード配列です。
配置は時計回りで覚える
フリック入力の文字は、各キーに母音が時計回りに配置されています。以下のように母音の位置関係を覚えておくと便利でしょう。
- 「あ」の段: 中央
- 「い」の段: 左
- 「う」の段: 上
- 「え」の段: 右
- 「お」の段: 下
記号のキー以外は、すべて同様の配置で文字を入力することができます。
たとえば、「こんにちは」と入力したい場合は、以下のような操作を行います。
- 「こ」を入力する場合: 「か」から指を下にフリックします
- 「ん」を入力する場合: 「わ」から指を上にフリックします
- 「に」を入力する場合: 「な」から指を左にフリックします
- 「ち」を入力する場合: 「た」から指を左にフリックします
- 「は」を入力する場合: 「は」を 1 回タップします
この操作で 50 音や記号などを入力していきます。基本操作を覚えることで、素早い文字入力が可能になります。
小さい文字と濁点の入力方法
濁点や半濁点、小さい文字「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」は、任意の文字を打った後、左下にある「大⇔小」のキーをフリックやタップすると入力できます。
- 濁音「゛」を入力する場合: 「大⇔小」のキーを左にフリックまたは 1 回タップ
- 半濁音「゜」を入力する場合: 「大⇔小」のキーを右にフリックまたは 2 回タップ
- 小さい文字を入力する場合: 「大⇔小」のキーを上にフリックまたは 1 回タップ
たとえば、「バッグ」(ばっぐ)と入力したい場合は、以下のような操作を行い、カタカナに変換します。
- 「ば」を入力する場合: 「は」を 1 回タップして入力した後、「大⇔小」のキーを左にフリックまたは 1 回タップします
- 「っ」を入力する場合: 「た」から指を上にフリックした後、「大⇔小」のキーを上にフリックまたは 1 回タップします
- 「ぐ」を入力する場合: 「か」から指を上にフリックした後、「大⇔小」のキーを左にフリックまたは 1 回タップします
なお、Gboard など多くのキーボード アプリでは、入力した文字から候補を予測して表示してくれる入力候補機能を使うと、より素早く入力することが可能です。
記号の配置を覚える
Gboard のフリック入力では、キーボードの右下に記号が配置されています。頻繁に使う記号の位置から覚えるとよいでしょう。それぞれの配置は次のようになっています。
- 「、」の位置: 中央
- 「。」の位置: 左
- 「?」の位置: 上
- 「!」の位置: 右
- 「…」の位置: 下
フリック入力を使うには
ここからは、Gboard を例に 12 キーに設定する手順を紹介します。
12 キーに設定する方法
「ひらがな」のキーボードを初期設定時に QWERTY にしていたり、普段は他のキーボードを使用している場合、12 キーに配列を変更または追加することでフリック入力ができます。
【設定アプリから設定する】
- スマホの設定アプリを開きます
- [システム] → [キーボード] をタップします
- [画面キーボード] → [Gboard] をタップします
- [言語] をタップし、[日本語] を選択します
- [12 キー] にチェックを入れて [完了] をタップします
【Gboard から設定する方法】
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は下の画像にある赤枠の [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
以降の手順は、設定アプリから設定する場合と同様です。詳細は、ヘルプセンターの Gboard の設定をご覧ください。
フリック入力のみに設定する方法
12 キーの初期設定では、フリック入力とトグル入力のどちらも利用できます。トグル入力が有効だと、「母」「多々」など同じ段の文字を連続して打ちたいときに不便に感じるかもしれません。Gboard では、以下の手順でトグル入力を無効に設定できます。
- Gmail や Google Keep のようなテキスト入力が可能なアプリを開きます
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします(表示されない場合は [機能を開く] メニューをタップして [設定] をタップします)
- [言語] をタップします
- [日本語(12 キー)] をタップします
- [12 キー レイアウトの設定] の [フリックのみ] をタップしてオンにします
不要なキーボード配列を非表示にする方法
複数のレイアウトを有効にしていると、キーボード上で切り替えて使用することができます。一方で、12 キー配列でのフリック入力に慣れると、これまで使用していた日本語 QWERTY が不要になるかもしれません。その場合は、以下の手順で設定し、キーボード上から削除しましょう。
【設定アプリから削除する方法】
- スマホの設定アプリを開きます
- [システム] → [キーボード] をタップします
- [画面キーボード] → [Gboard] をタップします
- [言語] をタップします
- 右上の編集アイコン
をタップします
- 不要なレイアウトにチェックマークを入れ、右上のゴミ箱アイコン
をタップします
【Gboard から削除する方法】
- 文字入力ができるアプリなどでキーボードを表示させます
- キーボード上部の設定アイコン
をタップします
- [言語] をタップします
- 右上の編集アイコン
をタップします
- 不要なレイアウトにチェックマークを入れ、右上のゴミ箱アイコン
をタップします
フリック入力は覚えると効率よく入力できます。最初は入力方法に慣れず戸惑うかもしれませんが、ゆっくりでも何度もフリック入力をすることで、回数を重ねるうちに指が自然に覚えていくでしょう。
また、アプリを使って練習するという方法もあります。Google Play ストアでご自身に合ったアプリを探してみてもよいかもしれません。
フリック入力を使いこなして効率的に文字を入力してみよう
フリック入力は、キーをフリックすることで文字を入力する方法です。各キーの中心から任意の方向に 1 回指をはじくだけで入力できるため、トグル入力(ケータイ打ち)のように複数回キーをタップする必要がありません。タップ数が少なくなるため、慣れれば長い文章もより効率的に作成できます。
フリック入力を行うには、キーボード配列を「12 キー」に設定しておく必要があります。12 キーではトグル入力を行うこともできますが、あらかじめ「フリック入力のみ」に設定しておけばフリック入力により早く慣れることができるでしょう。
文字や記号の配置を覚えて、快適なフリック入力を始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事で紹介した内容は、Android のバージョンや機種によって異なる場合があります。
※本記事は、2025 年 8 月時点に Google Pixel 8(Android 16)で検証しました。
2024 年 11 月 13 日
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