NFC 搭載のスマホは、日常生活のさまざまなシーンで活用できます。たとえば、決済に必要な情報をスマホに入れておけば、駅の改札にスマホをタッチして通れたり、お店でスマホをかざすだけで買い物ができたりします。

スマホで使える NFC として FeliCa※1 を利用している方もいらっしゃるでしょう。FeliCa は NFC の規格の一つです。

NFC は、主に「Type-A」「Type-B」「Type-F」などの国際規格に分かれています。これらはキャッシュレス決済などに利用され、私たちにとって身近な存在だといえるかもしれません。それぞれ、以下のような特徴があります。

• Type-A: 海外で広く普及しており、国内では成人識別カード（taspo）に利用されています。
• Type-B: セキュリティレベルの高さに定評があり、クレジット カードのタッチ決済のほかにも、マイナンバーカードや運転免許証などの身分証明書に採用されている規格です。
• Type-F（FeliCa）: ソニー株式会社が開発した規格で、Type-A や Type-B に比べて通信速度が約 2 倍速いという特徴を持っています。日本国内で広く普及しており、交通系 IC カードや電子マネーなどに利用されています。FeliCa は、Type-F の規格に、IC カード向けのデータ管理やセキュリティなどの技術を加えたものです。

スマホによる非接触型決済サービスとして、おサイフケータイ※2 を思い浮かべる方もいるかもしれません。おサイフケータイとは、NFC の規格の一つである FeliCa を搭載した Android スマホや携帯電話などのデバイスおよびそれらの技術を利用したサービスの総称で、キャッシュレス決済やポイントカード、チケット、会員認証などを非接触型で提供します。

つまり、スマホなどの対応デバイス同士を近づけるだけで通信可能な技術が「NFC」、NFC の一種が「FeliCa」、FeliCa を搭載した Android デバイスを利用して提供されるキャッシュレス決済等の非接触型サービスが「おサイフケータイ」です。

スマホをおサイフケータイとして利用するためには、おサイフケータイ アプリ※3 が必要です。多くの場合、おサイフケータイ対応の Android スマホであれば、購入時からおサイフケータイ アプリがインストールされています。

スマホに搭載されている NFC の活用シーンとしては、前述したようにスマホによる非接触型決済サービスが挙げられます。交通系電子マネーをはじめとした電子マネーをスマホのアプリと連動させれば、スマホ一つでキャッシュレス決済が可能です。

また、対応したクレジット カードとスマホを紐付けておくことで、クレジット カード自体を持ち歩かなくてもスマホをかざすだけでクレジット カード決済ができるようになります。

スマホが NFC に対応していれば、IC カードの情報をスマホで読み取ることも可能です。たとえば、交通系電子マネーのカード残高を確認したい場合、IC カードにスマホをかざすことで残高情報を確認できるアプリもあります。

また、マイナンバー カードや運転免許証の読み取りにも対応しています。政府公式アプリや民間の認証アプリを使うことで、本人確認や各種手続きもオンラインで完結することが可能です。なお、読み取りにはパスワードなどの本人認証が必要であり、情報の安全性も確保されています。

NFC 対応のワイヤレス ヘッドセットやワイヤレス スピーカーといった Bluetooth デバイスも販売されています。NFC の機能を使うことで、スマホを Bluetooth デバイスに近づけるだけで簡単にペアリングや接続が完了します。